RSウイルス

風邪の原因ウイルスの一つに「RSウイルス」があります。乳幼児が感染すると具合が悪くなりやすい厄介なウイルスです。夏の終わりから流行が始まり、冬場にピークを迎えます。

*どんな症状?

主な症状は咳と鼻水です。他の風邪と比べて、鼻水が多いのが特徴です。

学童や大人が感染しても、軽い風邪ですんだり、症状が出ない(不顕性感染)人もいます。
しかし、2歳未満のお子様が感染すると、ゼイゼイした呼吸や鼻水、鼻詰まりでとても苦しくなったり、おっぱいやミルクが飲みづらくなったりすることがあります。特に、生後半年までの赤ちゃんは、細気管支炎や肺炎になってしまうことが多いので注意が必要です。症状が出始めて1週間前後が症状のピークのことが多いですが、ピークを過ぎても咳や鼻水が長引く場合もあります。

*原因は?

「RSウイルス」というウイルスが原因です。残念ながら、一度かかると免疫がついて2度とかからないということはなく、何度も感染してしまいます。
飛沫・接触感染でうつります。予防にはマスクや手洗いが有効です。

*自宅でできる対策は?

鼻水で苦しくなることが多いので、こまめにとってあげると楽になります。症状が軽い時は拭いたり、鼻かみでよいですが、苦しそうな場合は、鼻水を吸ってあげるとよいでしょう。鼻吸いのタイミングは「お食事の前」「お風呂の後」「寝る前」が効果的です。

また、安静と加湿も呼吸を楽にしてくれます。お部屋に洗濯物を干したりして、湿度を高めに保つのもよいでしょう。

*お食事やお風呂はどうしたらよいの?

症状が軽ければ普段通りで問題ありません。

咳や鼻水で苦しくて吐いてしまう時は、少し柔らかめのお食事の方が咳き込み嘔吐が少なくなります。お粥やよく煮込んだうどん、ゼリーやプリンなどの柔らかいお食事がよいでしょう。

元気がない時の入浴は控える方がよいでしょう。元気がある時は、お風呂で適度に加湿する方が咳や鼻水にはよいです。ただし、長湯で身体を温めすぎると症状が悪化するので注意が必要です。シャワーだけで済ませた方が無難かもしれません。

*家族内感染を防ぐには?

ご兄弟がいるご家庭では、お部屋を分けるなどの隔離をしないと感染を防ぐのは難しいでしょう。しかし、小さいご兄弟が別々のお部屋で過ごすのは難しいことが多いです。実際は、手洗いの徹底や、お子様がよく触るものを消毒するなどの対策を取るのが現実的です。大人が感染して重い症状が出ることは少ないですが、大人からお子様に移してしまうのを避けるために、マスクなどで予防をして看病するのも良いでしょう。

親から赤ちゃんにうつしてしまうのは避けたいところです。生後半年までの赤ちゃんがいるご家庭では「大人の健康管理と感染対策」がとても大切です。

*登園登校の目安は?

咳や鼻水がある程度落ち着いていて、発熱がなければ登園登校可能です。

実は、「RSウイルス」が保険診療で検査できるのは原則1歳未満のお子様だけです。そのため、園や学校に通われている多くのお子様は診断されておらず、いわゆるお風邪として診られていることがほとんどです。

また、「RSウイルス」と診断されても特効薬はなく、普通のお風邪と同じように、安静や加湿、鼻水の除去を行ったり、咳や鼻水を和らげる薬を内服したりする「対症療法」をしながら、本人の力で治るのを待つ病気です。2020年から問題になっている新型コロナウイルスと似ていますね。

ただし、赤ちゃんや幼児は重症化に注意が必要です。「鼻水がひどいな」「苦しそうだな」と感じたら、小児科で相談してみるとよいでしょう。

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当クリニックについて

千葉ニュータウン中央駅前の小児科・アレルギー科クリニックです。ご家庭やお子様の状況に合ったサポートができるよう努めます。お気軽にご相談ください。


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