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お子様の包茎
赤ちゃんや幼児の包茎については、様々な情報が錯綜しており、時に不正確な情報で悩まされるご家族もいらっしゃいます。このページでは、最新の「小児包茎に対する治療指針」を説明します。
*包皮の自然な発育経過は?
男の子が生まれた時は、亀頭が完全に包皮で覆われ、亀頭と包皮の内側はくっついて剥がれない状態です。包皮の出口(おしっこが出る穴)も小さく、あまり広がりません。これが、幼児期にかけて亀頭と包皮が徐々に剥がれていきます。この時期の包皮の出口の大きさや広がり易さには個人差が大きいですが、小学生の間には包皮を陰茎の根元に押し下げる(ムく)ことができるようになります。ムけるようになると、亀頭の表面も洗えるようになり清潔です。しかし、ムけないままだと、亀頭の表面が洗えず不衛生になったり、尿の飛びに影響が出たりと、健康上の問題が生じることがあります。
*どうのような時に治療が必要なのでしょう
自然経過を考えると、少なくとも思春期までの包茎は病的なものではありませんが、治療が必要になる場合もあります。
- 排尿の妨げになる場合(包皮の出口がきつくて、尿がしっかり飛ばない時)
- 亀頭包皮炎を繰り返す場合(包皮が腫れて痛くなる病気を繰り返す時)
- 尿路感染症を起こしやすい場合
- 嵌頓包茎を起こす場合(剥けた時に包皮の出口で陰茎が締め付けられて鬱血してしまう時)
*どんな治療をするの?
基本は以下の2つの治療です。4〜8週間続けると8割以上のお子様が剥けるようになります。
- ムキムキ体操
毎日お風呂の時に剥いて皮膚を伸ばします。やみくもに行うと、包皮の出血や亀裂を生じ、後に包皮が硬くなったり嵌頓包茎を起こすことがあるので、無理は禁物です。心配な時は病院で相談しながら取り組みましょう。 - ステロイド軟膏塗布
1日1〜2回、包皮の出口から軟膏を塗り込みます。
*手術について
包皮には、亀頭を保護する役割と、重要な感覚器官としての役割があります。亀頭には圧迫や痛みなどの粗野な感覚神経が分布し、包皮には鋭敏な感覚神経が分布しています。近年では、包皮は将来の正常な性行為に重要な感覚器官であり、極力除去しない方が良いと考えられています。手術治療は、閉塞性乾燥性包皮炎という、包皮が硬くて、軟膏塗布では全く効果が得られないお子様に限って行われます。