インフルエンザ

*どんな症状?

38度以上の発熱や頭痛、関節痛、筋肉痛などの全身症状が突然あらわれるのが特徴です。一般的な風邪と同様に、のどの痛み、鼻、咳などの症状も見られます。無治療の場合、5〜7日高熱が続きますが、発熱期間を1〜2日短くできる特効薬があります。感染力が強く、特に11月から3月頃にかけて流行します。

*お鼻のインフルエンザ検査について

発熱後6〜12時間経過すれば、70〜80%の確率で陽性となります。発熱後早期では、検査が陰性でもインフルエンザの可能性は否定できません。問診と診察のみでもインフルエンザと診断できることがあります。

感度(インフルエンザを見つける能力)は下がりますが、鼻をかんで出した鼻汁で検査をすることもできます。ただし、保険診療ではインフルエンザ検査は1日に1回しか認められませんので、「鼻汁の検査で陰性だったからお鼻の検査をしたい」場合は、自費診療になってしまいます。

発熱後48時間以上経過した場合は特効薬の効果が得られず、インフルエンザと診断できても治療ができないため、検査の必要性が低下します。検査の実施については、発熱からの時間経過や症状、所見、流行状況を踏まえ、患者様・ご家族と相談して決定します。

*合併症

①異常行動
10代男子が好発年齢ですが、それ以外の年齢や女子でも起こります。突然、重大事故につながる行動を起こすことがあり、解熱するまで大人の目が離れないようにする必要があります。転落リスクを減らすため、療養する環境は、階が低くて窓が少ない部屋が理想です。周囲から危険物(食べたら危ない物や、倒したら危険な物(ストーブなど)、首に巻ける物)を排除します。

②熱せん妄
突然笑い出す、不自然にボーッとする、幻覚が見えることがあります。すぐに元に戻る時は様子見して良いですが、長く続いたり意識が定かでない時は受診する方が良いでしょう。

③脳炎脳症
けいれん発作や意識障害、麻痺(左右どちらかの手足を普段より動かさないなど)、不自然に続く嘔吐などの症状がみられる時は救急車を要請してください。

④肺炎
インフルエンザ自体でも数日は咳が悪化しますが、咳のために眠れない・苦しいなど、咳が悪化するようであれば受診してください。

⑤その他
機嫌が悪くあやしても泣き続ける、ぐったりしている、顔色が悪い、おしっこが出なくなるなどの場合も急いで受診しましょう。

 *治療薬

外来で使用できる治療薬として、内服薬と吸入薬があります。いずれも効果や副作用に大きな違いはありません。どの薬も発熱期間を1〜2日短くする効果があります。年齢や咳のために上手に吸入できない時は内服薬を、吸入の方が内服より楽な時は吸入薬を選びます。

*隔離期間、登校・登園許可書

学校保健法で隔離期間が設定されています。発症翌日から5日以上経過していること、解熱後2日経過していることが隔離解除の条件です。

特にA型インフルエンザは2峰性発熱(一度解熱したように見えた翌日に再び発熱する)になることがあるため、解熱して1日では再度発熱する恐れがあります。登園・登校許可書が必要な時は、隔離が解除されたタイミングでご用命ください。

*ご家族に伝染しないために

伝染力の強いウイルスです。異常行動の観点から、お子様から目が離せないので、隔離が難しいのが難点です。飛沫・接触感染で伝染しますので、ご家族は手洗いとマスクで予防してください。

*インフルエンザワクチン

インフルエンザ対策は予防が一番です。多くの方がインフルエンザワクチンで予防することで、肺炎や気管支炎、脳炎脳症などの重症患者様を減らすことができます。

生後6ヶ月から推奨です

生後6ヶ月からのインフルエンザワクチンの有効性を証明した研究が多数あり、WHOや日本小児科学会を含め、ほとんどの公的機関が生後6ヶ月からのインフルエンザワクチン接種を推奨しています。

インフルエンザワクチンの効果

流行するウイルス株が変化することがあるため、その年の流行を予測して製造されます。6ヶ月の赤ちゃんでも、大人でも、有効率は50〜80%です。また、インフルエンザに罹った生後6ヶ月〜2歳未満の乳幼児の重症化が、ワクチンを接種することにより大きく減少することがわかっています。

ワクチンの有効率は100%ではなく、完全には予防できません。このため「ワクチンを接種したけれど、インフルエンザに罹ってしまった」という患者様は毎年出てしまいます。しかし、50〜80%の確率でインフルエンザを防ぐことができる確実な方法がワクチン接種です。また、仮にインフルエンザにかかってしまったとしても、肺炎や気管支炎、脳炎・脳症などへの重症化を予防する効果もあると考えられています。

WHOが推奨するインフルエンザワクチンの投与量、接種回数、接種間隔と、日本での有効な接種時期

6ヶ月〜3歳未満(0.25ml)3〜13歳未満(0.5ml)13歳以上(0.5ml)
2回(2〜4週間空ける)2回(2〜4週間空ける)1〜2回(1〜4週間空ける)

インフルエンザの流行期は12〜3月が多いです。このため、遅くとも12月中旬〜下旬にはワクチン接種が完了しているのが望ましいです。

*よくあるご質問

Q:今年、すでにインフルエンザに罹ってしまった場合、ワクチンを接種する必要はありますか?

A:インフルエンザワクチンは4価が採用されており、A型2種類、B型2種類を予防できます。2〜4種類のウイルス株が流行する年も多く、すでに感染してしまったウイルス株以外の株にも予防効果があるので、ワクチン接種をお勧めします。

Q:乳幼児のワクチンへの副反応は、どのくらい起きますか?

A:3歳未満のお子様では、ワクチンを接種した場所は10%未満の割合で腫れたり赤くなったりします。発熱の頻度は初回接種で1%、2回目は6%です。

Q:鼻の中に噴霧するタイプの生ワクチン「フルミスト」について

A:2歳以上を対象に海外から輸入して使用できます。皮下接種でないため痛みを感じず接種でき、幼児に有効性が高いなど利点があります。一方で、日本では未承認なので、重大な副反応に対する補償が不明確な点には注意が必要です。気になる患者様はお気軽にスタッフにお声かけください。

「ワクチン接種」と「手洗い、咳エチケット」「流行期に人混みを避ける」で感染と重症化を防ぎましょう。

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当クリニックについて

千葉ニュータウン中央駅前の小児科・アレルギー科クリニックです。ご家庭やお子様の状況に合ったサポートができるよう努めます。お気軽にご相談ください。


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