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ヒトメタニューモウイルス
「RSウイルス」とならんで厄介な風邪(かぜ)の原因ウイルスに「ヒトメタニューモウイルス」があります。乳幼児が感染すると具合が悪くなりやすく、気管支炎や肺炎に注意が必要です。
*「ヒトメタニューモウイルス」の症状
主な症状は咳と鼻水、発熱で、普通の風邪と同じです。通常は1〜2週間で良くなりますし、発熱がみられないこともあります。
しかし、乳幼児が感染すると、気管支炎や肺炎を合併することがあります。「ゼイゼイ」「ヒュウヒュウ」したり、咳がひどい時、苦しい時、発熱が続く時は、小児科を受診するとよいでしょう。
*原因は?
「ヒトメタニューモウイルス」というウイルスが原因です。春頃に多くなる傾向がありますが、1年を通して流行します。
乳幼児期に誰もが1度は感染しますが、1度感染したら免疫がついて2度と感染しないということはなく、繰り返し何度も感染してしまいます。
飛沫・接触感染でうつります。予防にはマスクや手洗いが有効です。
*感染した時のケア
普通の風邪と同じで、安静が基本です。咳がひどくなる時は、お部屋に洗濯物を干したり、加湿器を使用するなどして、室内を加湿するとよいでしょう。小さなお子様には鼻吸も有効です。お食事の前やお風呂の後、寝る前などにお鼻を吸ってあげるとよいでしょう。また、枕を高めにして寝たり、小児科で対症療法薬を処方してもらうと少し咳が和らぎます。信頼できる研究結果から、1歳2ヶ月以上のお子様であれば、ハチミツをなめると咳に良いこともわかっています(ただし、1歳2ヶ月未満のお子様が蜂蜜を食べるとボツリヌス症になることがあるので、絶対に避けてください)。
*お食事やお風呂はどうしたらよいの?
症状が軽ければ普段通りで問題ありません。
咳や鼻水で苦しくて吐いてしまう時は、少し柔らかめのお食事の方が咳き込み嘔吐が少なくなります。お粥やよく煮込んだうどん、ゼリーやプリンなどの柔らかいお食事がよいでしょう。食欲がなくて固形物が食べられない時は、ジュースなどで水分補給すると、栄養と水分が同時に摂取できるので効率的です。
元気がない時の入浴は控える方がよいでしょう。元気がある時は、お風呂で適度に加湿する方が咳や鼻水にはよいです。ただし、長湯で身体を温めすぎると症状が悪化するので注意が必要です。シャワーだけで済ませた方が無難かもしれません。
*家族内感染を防ぐには?
マスクと手洗いが基本です。
ご兄弟がいる家庭では、お部屋を分けるなどの隔離をしないと感染を防ぐのは難しいでしょう。別の部屋で生活したり、寝室を分けるなどできると感染率がぐっと下がりますが、小さなお子様がいる時は難しいことも多いですよね。
お子様がよく触るものを消毒することは有効です。食器やタオルの共有も避けましょう。
*登園登校の目安は?
登園登校の基準が明確に決まっている病気ではありません。咳や鼻水がある程度落ち着いていて、発熱がなければ登園登校可能です。
ヒトメタニューモウイルスは、6歳未満のお子様には保険で抗原検査ができるウイルスですが、お風邪と症状が同じなので、検査をして診断されないまま治療されることがほとんどです。また、特効薬がないので、診断がさほど重要ではありません。診断を受けても受けなくても、安静と加湿、鼻吸いの基本的ケアが大切です。普通のお風邪と違うのは、気管支炎や肺炎などを起こしやすいことです。発熱が続いたり、咳がひどくなった時は、小児科で相談してください。